OneNoteからEvernoteへ出戻った話

およそ1年半前、Evernoteのプラン改定の際にOneNoteに移行したのですが、昨年末にEvernoteに戻ってまいりました。

OneNote vs Evernote

OneNote vs Evernote をとても乱暴に言ってしまうと、PowerPoint vs テキストエディタ です。

OneNote

OneNoteは、手書きのノートの様に、どの場所にもテキストコンテナを配置して書き始めることができます。

もちろんテキストコンテナは複数の場所に置くことができ、図形や動画なども配置できます。

PowerPointから派生したような使用感のツールです。

Evernote

一方、Evernoteは原則としてテキストエディタです。

画像や動画などを挿入することはできますが、自由なレイアウトなどは得意ではありません。

Windowsのメモ帳にいろいろな機能が追加された感じです。

ライトに使うならOneNote

ノートアプリとして一括りにされているOneNoteとEvernoteですが、ソフトウェアのベースコンセプトが全く違います。どちらを選択するべきかは、ユーザーの主たる利用目的や使用頻度などによって当然変わります。

ただ、OneNoteは後発なので、*1Evernoteで出来ることはだいたいできますし、Evernoteができないこともできちゃいます。しかも端末数無制限で無料です。

軽く使う程度ならOneNoteが良いでしょう。

でも、1年半もOneNoteを使っていた私は、Evernoteに出戻りしました。

ほとんど使わない機能が満載の十徳ナイフより、使い勝手のいいシンプルなナイフの方が道具として使いやすいという感覚ですかね。

OneNoteがダメだった所

コピペするとゴミがついてくる

私のノートには、書きかけのスクリプトや、サーバー設定のメモなどのテキストが大量に保存されています。

ところが、改行、テキスト修飾、インデントなどをしたテキストをコピペすると、何かの拍子でゴミが紛れ込むことがあるのです。

たとえば、行頭に”0B”というコードが入ってしまうことがあります。どうやら「垂直タブ」という制御コードのようなのですが、こういったゴミがついてくるせいで、わざわざ一度テキストエディタに貼り付けてゴミを消してから利用するというような間抜けな使い方をしていました。

テキストエディタなどで掃除したテキストをOneNoteにペーストしなおせば、次からはゴミが無くなります。

しかし、コピペしようとしているテキストが掃除済みなのかどうかを個別に覚えているわけではないので、毎回、念のためにテキストエディタにコピペして確認してから使用するのです。かなり間抜けです。

その点Evernoteは、見たままのテキストがちゃんとペーストされますので安心。もっとも、昔からある最後に改行がついてしまう場合があるバグは、いまだに修正されていませんが、OneNoteのゴミ付きテキストにくらべれば全然マシです。

フォントが指定できない

OneNoteは、デフォルトのフォントを変更しても、それ以前に作ったノートのフォントが保持されています。

理想は、書式無しテキストはデフォルトフォントで、ノート内で個別に書式を付けたテキストはその書式を保持してくれると良いのですが、どうやらOneNoteには書式無しテキストというものが無く、全てのテキストに書式情報が保存されているようで、複数のノートを一括してフォント変更することができません。

複数のデバイスで閲覧する場合、デバイスごとに書式無しテキストのフォントを変えて読みたいのですが、残念ながらこれができないようなのです。

Windows10の游ゴシック体はかなり見にくいので、「源ノ角ゴシック(および Code JP)」、「ヒラギノ角ゴシック」、「メイリオ」を、端末によって使い分けたいのですが、うまくできません。

しかも、OneNoetには、游ゴシック・Verdanaフォントバグという有名なバグがあり、いつまでたってもなおりません。半角テキストを入力すると、デフォルトフォントが変わってしまうのです。

これはかなり辛いです。

テキストコンテナが辛い

OneNoteは、文字通りノートのどの場所にもテキストコンテナを置くことができます。

リニアなテキストエディタには無い新しい機能で、OneNoteの最大の特徴でもあると思うのですが、シーラカンスな僕にはこの新しい機能がまったく響きませんでした。つまり、その良さがわかるほどには使いこなすことができませんでした。

このコンセプト、iPadなどのタッチパネル端末ではかなり使いやすいのかもしれませんが、キーボード派の自分としてはそのメリットをさっぱり享受できません。

ノートのどの場所にもいきなり書き込んだり貼り付けができてしまう自由さがカオスを産み、逆にうまく整理ができないのです。

何もないところでマウスをクリックすると、テキストコンテナが配されて書き込めるようになってしまいます。

私の感覚では、例えばスクリプトの右端の余白部分をクリックしたら、そのクリックした行の行末でカーソルが点滅してくれるのを期待します。

OneNoteは、そこがテキストコンテナの外側であった場合、そのクリックした場所に新しいテキストコンテナを自動で作って、その場所でカーソルが点滅するのです。

どちらが良いかは利用方法と目的の問題

色々OneNoteの悪口を書いていますが、別にOneNoteが嫌いな訳ではありません。

整理してみると単純で、テキストエディタとしてのノートアプリが自分に合っているということなのです。

また、マウスにあまり手を動かすことなく、キーボードメインで利用しやすいツールが良いということでもあります。

タブレットやスマホがメインならば、OneNoteの方が使いやすいという判断をしていたかもしれません。

Evernoteも、突然値上げしてみたり、3台目以降の端末を無料プランでは制限したり、なんだか信頼できないことをするのですが、もっとも、そもそもこれだけ便利なサービスを無料で使えるということがおかしいわけで、今回出戻りするにあたりプレミアムで課金することにしました。

ちなみに、このテキストも、EvernoteにMarkdown形式で書いています。
もっとも、EvernoteはMarkdownに部分的にしかWYSIWYG対応してないんですけど、フル対応されると、WYSIWYGのon/offオプションを付けてもらわないと逆に不便ですね。

*1:後発ということではありませんでした。ご指摘いただきましたのでこの部分訂正いたします。

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