浮ついたところなく堅実で高貴なイメージの新元号「令和」

新元号「令和」、とても良いと思う。

Youtube のライブ映像で見た発表の瞬間に目に飛び込んできた「令和」は、かなり好印象だった。

もうちょっと情けなかったりありきたりの字面になってしまうんだろうと、がっかりしてもよいように心の準備をして画面を見ていたのだけれど、良い意味で肩透かしを食らった感じだ。

「れいわ」、なんと凛として玲々とした響きだろうか。

記憶にある限り、ら行で始まる元号は歴史の教科書で見ていない。もっとも歴史はかなり不得意科目だったのであてにはならない。

「ら行」で始まる元号自体がもともと少ないのか、凶事や政変などが起こらなかったのか、とにかく「ら行」で始まる歴史的な事変などを覚えた記憶がない。

たまたま産経新聞の号外に大化以来の全元号が載っていたのでざっと見てみたけれど、ら行で始まる元号は「霊亀」と「歴応」2つしかなかった。

とにもかくにも、「れいわ」という響きが気に入った。

石造りの古い洋館、高い天井に豊かなドレープのビロードのカーテンがかかった部屋、少しだけ古風な香りのする空気、浮ついたところがなく、大躍進も大失敗も無いけれど一つ一つ堅実に登っていく我を忘れない頑なさ、高貴で端正な風貌、冷静沈着でともすると冷たい印象、「令和」という字面やら音から湧き上がってきたイメージはこんな感じだ。

平成が発表されたときは、どこか中身のない平凡で安っぽい元号に感じたものだ。「へーせー」というハッキリせずメリハリのない音もあまり好きではなかった。

出典の万葉集の美しい文とはうらはらに、「令和」は見方によっては零と和でゼロサムとも見える。まぁでも、マイナスサムよりはいいだろうし、一人勝ちするよりもみんなで仲良くやりましょう的な受け止め方で良いかなとも思う。

また、「令をもって和とする」とも見える。ある意味、ルールを守ってこそ和が生まれるというのは、(日本人的には)とても大切な視点であると思うので、これはこれで良いと思うのだ。

いずれにしろ字面も音も、平成の発表の際に感じたガッカリ感とは程遠い、地に足がついた元号で良かったと思っている。

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